何故、江戸時代の日本人幕末のころ日本を訪れた西洋人の多くが、当時の日本人と江戸を賛美しています。子供は丸々と太って健康的で、人々は好奇心に富み活気がある、街はごみが落ちてなく清潔である。ペリーですらも、日本を開国して西洋の文明に曝すのがよいのか考えたくらいですからね。
しかし、どう考えても江戸時代が理想社会だとは思いたくないですね。江戸の僅か13%程度の土地を下町として職人、商人など庶民が居住し、残りは全部、山の手として武士階級が占拠していたとんでもない差別的封建社会ですからね。
実は以前、そのギャップが不思議だったので調べてみたことがあります。どうやら、その鍵は、産業革命後のヨーロッパの状態にあったらしい。1710年のジェームス・ワットによる蒸気機関の発明以降、新興工業都市に急激に人口が集中し、上下水道、住宅の建設が追い付かず、暖房のための石炭燃焼で大気は汚染、衛生問題が発生、低賃金や失業から貧困、犯罪も増えます。リバプールは1760年から100年の間に人口は15倍に増えますが、1842年の労働者の平均寿命は15才、知識層・ジェントリーの地主層でも35才だったそうです。子供も沢山働いていたそうです。ヨーロッパは劣悪な衛生環境であったのでしょう。但し、農村地帯では労働者も30才、地主層も50才ぐらいです。
ヨーロッパの都市事情に比べれば江戸はそんなに悪くはなかった。兎も角、物がないのでそれを大切にしたので、エコを考えるとカスケード・リサイクルやリユースの超理想的な生活をしています。庶民の生活は将に利休の心の生活です。(無理のないエネルギーを取得してその範囲で生活するのに賛成です。)
それで思うに科学や技術が人間の生活の豊かさに直接、結びつかない-結びつけるのは人間の心-は仕方がない。それにしても、思想や信条ですらも豊かさには関係ない?-徳川家康は論語を盾にとって、“百姓は依らしむべし、知らしむべからず”と言ったとか、それでも江戸人はヨーロッパと比較すれば幸福だったのか?
芝尾
江戸時代の日本人 への1件のフィードバック